忙しい社会人のための読書時間の作り方
「本を読みたいけど時間がない」は、忙しい社会人の最大の悩みのひとつです。仕事、家事、育児、付き合い——やることが多すぎて、読書の時間など取れないと感じるのは当然のことです。しかし実は、時間がない人ほど読書が必要であり、そして工夫次第で読書時間は確保できます。この記事では、忙しい毎日の中に読書を組み込む具体的なテクニックを紹介します。
「まとまった時間」を捨てる
読書に対する最大の誤解は、「まとまった時間がないと読めない」という思い込みです。カフェで2時間コーヒーを飲みながら読書する——理想的ですが、忙しい社会人には非現実的です。代わりに発想を変えて、「5分あれば読める」というマインドセットを持ちましょう。
5分間で読めるのは、文庫本で約5〜8ページ。1日に5分の隙間時間を3回見つければ、15〜24ページ進みます。1か月で450〜720ページ。これは文庫本2〜3冊分に相当します。「時間がない」のではなく、「まとまった時間に執着している」だけなのです。
通勤時間は「黄金の読書タイム」
日本の社会人の平均通勤時間は片道約40分と言われています。往復で80分、この時間の半分でも読書に充てれば、1日40分の読書時間が確保できます。電車通勤なら文庫本やスマホの電子書籍が手軽です。車通勤の方にはオーディオブックという選択肢があります。Audibleやaudiobook.jpなどのサービスを使えば、運転中でも本の内容を「聴く」ことができます。
通勤時間を読書に充てるコツは、前日の夜に「明日読む本」を鞄に入れておくことです。朝バタバタしていると本を持ち出すのを忘れがちですが、前夜に準備しておけば確実です。
「ながら読書」のすすめ
何かをしながら読書する「ながら読書」は、忙しい人の強い味方です。具体的には以下のようなシーンで活用できます。
食事中——一人ランチの時間は絶好の読書タイムです。スマホでSNSを見る代わりに、電子書籍を開いてみましょう。ランチの20分で読書すれば、週5日で100分の読書時間になります。
待ち時間——病院の待合室、美容室での施術中、子どもの習い事の送迎待ち。これらの「空白の時間」は、読書にぴったりです。常にカバンに1冊入れておけば、予期せぬ待ち時間も有意義に過ごせます。
入浴中——お風呂にゆっくり浸かる習慣がある方は、防水ケースに入れたスマホやタブレットで読書するのもおすすめです。リラックスした状態で読む本は、不思議と記憶に残りやすいものです。
家事中——料理や掃除をしながらオーディオブックを聴けば、家事と読書を同時にこなせます。イヤホンをつけて本を「聴く」習慣がつくと、家事の時間が楽しみに変わります。
SNSの時間を読書に置き換える
スマートフォンのスクリーンタイムを確認してみてください。多くの人が、1日に1〜2時間をSNSやニュースアプリに費やしています。この時間の一部を読書に置き換えるだけで、読書量は劇的に増えます。
具体的な方法としては、SNSアプリをホーム画面の2ページ目に移動し、代わりに電子書籍アプリを1ページ目に置くのが効果的です。人は「目に入ったもの」を無意識にタップする習性があるため、この小さな工夫だけでSNSを開く回数が減り、読書の機会が増えます。
「週1冊」ではなく「1日1ページ」
読書の目標を「週1冊」や「月3冊」のように冊数で設定すると、プレッシャーになって逆効果です。おすすめは「1日1ページ」という超低ハードルの目標設定です。1ページなら30秒で読めます。誰でも、どんなに忙しくても達成できます。
面白いのは、1ページ読み始めると「もう少し読もう」と思えることです。行動科学では「2分ルール」と呼ばれるテクニックで、小さく始めることで心理的な抵抗を取り除き、自然と行動が続くようになります。1ページのつもりが10ページ読んでいた、ということが頻繁に起こります。
読書時間を「予約」する
重要な会議を手帳に書き込むように、読書の時間もスケジュールに組み込みましょう。「毎日21時から21時15分は読書」とカレンダーに登録しておくのです。時間をブロックすることで、「時間ができたら読もう」という曖昧な計画から、「この時間に読む」という具体的な約束に変わります。
まとめ:時間は「見つける」もの
読書時間は、空から降ってくるものではなく、自分で見つけるものです。5分の隙間時間、通勤の電車、一人ランチの20分——あなたの1日には、気づいていない読書時間が必ずあります。まずは今日、鞄に1冊本を入れることから始めてみてください。